​中堅校合格を目指す!親が知るべき塾選びと子どものモチベーション維持法

モチベーション

二人の子どもの中学受験に向けて、塾選びや課題のこなし方、不得意分野の分析など、3年以上毎日悩み続けた私が「モチベーション」について分析した内容を記事にしました。同じように悩む親御さんの参考になれば幸いです。

1. 中学受験で中堅校を目指す理由とメリット

中学受験であえて中堅校(偏差値40台〜50台半ば程度)を第一志望に選ぶご家庭も増えています。難関校だけでなく魅力的な私立中学校が他にもあると気づき、子どもの個性に合った学校を選ぶ動きが広がっているためです。では、中堅校を目指すメリットとは何でしょうか。

まず、中堅校の多くは中高一貫教育です。中学から高校まで6年間一貫した教育が受けられ、高校受験がない分、部活動や学校行事にも腰を据えて取り組めます。学習カリキュラムが途切れずに継続し、大学受験に向けた計画的な指導を中学段階から受けられる点も大きな利点です。特に私立一貫校では高校1年時点で大学受験への意識づけが始まるため、公立中学から高校に進む場合より情報量や準備でリードできる傾向があります。

また、中堅校に限ったことではありませんが、先生の面倒見の良さでも知られます。私立校の教師は異動が少なく、その学校の生徒層に合わせた指導に慣れているため、生徒一人ひとりに合ったケアが期待できます。特に第一志望に不合格で入学してくる生徒も多いため、そうした子どものフォローが上手な学校が多いという声もあります。

さらに、学校ごとに明確な教育方針や校風があり、家庭の方針に合った学校を選べるのも魅力です。難関校ほど受験勉強に追われず、小学校生活もほどよく楽しみながら受験に挑める点も中堅校志望のメリットと言えます。実際、小学校高学年から受験勉強を始めたり、習い事を続けながら受験したいと考える場合、中堅校は現実的で良い選択肢となるでしょう。中堅校合格でも6年間充実した学校生活を送れれば、中学受験に挑戦した甲斐があると言えます。

2. 塾の種類と選び方

中学受験において塾選びは合否を左右する重要なポイントです。特に中堅校を目指す場合でも、子どもの学力や性格に合った塾を選ぶことで無理なく力を伸ばすことができます。塾には大きく分けて集団指導の大手進学塾、少人数制の個別指導塾、そして家庭教師・オンライン塾といった種類があります。それぞれの特徴を把握し、お子さんに合う形態を選びましょう。

大手進学塾(四谷大塚、SAPIX、日能研など)の特徴

四谷大塚、SAPIX(サピックス)、日能研、早稲田アカデミーといった大手四大塾は、中学受験情報や過去問分析のノウハウが豊富で、体系だったカリキュラムが魅力です。1クラス15~20名程度の集団授業が中心で、定期的に模擬試験が行われ、全国規模での成績偏差値も把握できます。競争環境の中で切磋琢磨できるため、自ら競い合って伸びるタイプの子には最適でしょう。難関校向けの高度な問題演習も多く、中堅校志望でも基礎から発展まで幅広く学力を養うことができます。

ただし大手塾は授業スピードが速く宿題量も多めです。SAPIXなどは難度の高い問題に早くから取り組むため自己管理能力が必要と言われます。一方、日能研や四谷大塚は基礎を重視し、カリキュラムも比較的オーソドックスなので、じっくり学びたい子に向いているという声もあります。いずれにせよ塾ごとに指導方針や雰囲気が異なるので、体験授業に参加したり説明会で確認して、我が子に合った進学塾を選ぶことが大切です。

個別指導塾のメリットとデメリット

講師1人に対し生徒1~3名程度で指導する個別指導塾は、きめ細やかな指導が受けられるのが強みです。集団塾のような周りの目を気にすることなく質問しやすいため、内気なお子さんや自分のペースで勉強を進めたいお子さんに向いています。苦手科目の克服や学習の遅れを取り戻す際にも、個別指導ならその子専用のカリキュラムでフォローしてもらえます。大手塾系列の個別指導なら、豊富な受験情報を持ちつつ個別対応してくれるので安心感があります。

一方で個別指導は費用が高めになる傾向があります。先生1人あたりの生徒数が少ない分、人件費がかかるためです。また周囲に競争相手がいない環境では緊張感が薄れ、自分の現在のレベルを客観視しにくいデメリットもあります。情報量の面でも、大手集団塾に比べると中学入試全般の最新動向や他校の受験情報が得にくい場合があります。ただし地元に根差した個人経営の小規模塾では、地域の中堅校に絞った的確な指導で合格に導いてくれるケースもあり、侮れません。大手集団塾と個別指導塾を併用し、集団塾で全体カリキュラムをこなしつつ個別で弱点補強をする家庭もあります。

なお、最近では大手集団塾と個別指導塾のハイブリッド型、中規模かつ個別指導の選択も可能な塾も人気になっているようです。塾選びの選択肢は増加傾向にあり、より自分の子どもがどのような環境であれば伸びるのか、真剣に考える必要がありそうです。

家庭教師やオンライン塾の活用

塾以外の選択肢として、家庭教師オンライン塾の利用も検討できます。家庭教師は講師が自宅に来てマンツーマンで教えてくれるため、通塾時間が不要で時間の有効活用ができます。わからない所をその場ですぐ質問でき、理解度に合わせて進めてくれるので、学習効率は非常に高いです。スケジュールも柔軟に調整でき、部活や習い事で忙しいお子さんにも合わせやすいでしょう。特に中堅校志望の場合、「苦手科目だけ家庭教師をお願いして他は塾に通う」といったピンポイントの活用も効果的です。

最近ではオンライン塾・オンライン家庭教師も普及しています。自宅でプロの指導が受けられるので時間を有効活用できるうえ、地方にいても首都圏レベルの授業を受講できます。映像授業なら繰り返し再生したり、自分のペースで進められる利点もあります。ただし録画授業ではその場で質問ができないため、疑問点が残らないようオンラインでも双方向でやりとりできるサービスを選ぶと安心です。

費用面では、家庭教師は回数次第で割高にも割安にもなります。週1回程度の利用なら塾より安く済むこともありますが、回数を増やすと集団塾より高額になりがちです。オンライン塾は通塾が不要なぶん比較的安価な設定が多いですが、サービス内容をよく確認しましょう。いずれの場合も、お子さんの学習スタイルに合った形態を選び、必要に応じて組み合わせると効果的です。

3. 習い事と勉強の両立方法

中学受験を目指すにあたり、習い事と勉強を両立できるか悩む保護者は多いでしょう。実際、小学生の大半(調査によっては7〜9割 https://www.ssf.or.jp/thinktank/sports_life/data/lesson.html)が何らかの習い事をしていると言われます。習い事をいつまで続けるべきかは難しい判断ですが、上手に両立すれば勉強一色になりすぎず、精神的な余裕を持って受験に取り組めます。ここでは習い事を続けるメリットやスケジュール管理のポイント、効率的な学習習慣づくりについて解説します。

習い事を続けるメリット(リフレッシュ、バランスの取れた成長)

習い事にはお子さんのリフレッシュ効果情操教育の面で大きなメリットがあります。例えばスポーツ系の習い事であれば、受験勉強による運動不足を解消でき、体力向上やストレス発散につながります 。成長期の子どもにとって適度に体を動かすことは、勉強の効率を上げる意味でも大切です。音楽(ピアノやバイオリンなど)や美術の習い事は気分転換になるだけでなく、創造力を育み脳の活性化に役立つとも言われます。実際、東京大学の学生には幼少期にピアノを習っていた人が多いというデータもあり、芸術系の習い事が高い学習意欲につながるケースもあるようです (習い事をしながら中学受験を成功させるコツ | 学研の家庭教師)。

習い事で得たスキルや経験が自信につながる点も見逃せません。たとえば水泳で頑張って級を取得した成功体験や、書道で賞をもらった達成感は、勉強にも通じる「やればできる」という自己効力感を育てます。また、習い事を通じて異年齢の友達や先生と関わることで、コミュニケーション能力や礼儀なども身につき、バランスの取れた成長が期待できます。勉強一本だと煮詰まってしまうお子さんも、週に一度好きな習い事があることで気分転換でき、「また勉強を頑張ろう」というやる気の維持につながるでしょう。

スケジュール管理のポイント

習い事と受験勉強を両立するには、スケジュール管理が肝心です。まず現在取り組んでいる習い事の曜日・頻度と塾のスケジュールを書き出し、無理のない週間計画を立てましょう。習い事が週2回程度であれば、小4〜小5のうちは両立可能なケースが多いと思います。塾のない平日や日曜を有効活用し、「月水金は塾、火木は習い事、土日は過去問演習と休息日」などあらかじめ予定を決めておくと、お子さんも見通しを持って行動できます。

時間の使い方にメリハリをつけることもポイントです。例えば習い事の日は思い切って勉強時間を短めにし、その代わり集中して要点を復習するようにします。逆に習い事のない日や長期休みには勉強時間をしっかり確保するなど、強弱をつけましょう。スケジュールは親が一方的に決めるのではなく、ぜひ子どもと一緒に相談して作成してください。自分で計画作りに関わることで主体性が育ち、時間管理の意識も高まります。

また、小6の受験直前期になったら習い事を一時休止する勇気も必要です。5年生後半から6年生になると塾の日数も増え勉強量が急増するため、すべてを両立するのは難しくなります。この時期は「週1回だけ続ける」「受験が終わったら再開する約束をする」など柔軟に対応しましょう。お子さん本人が「どうしても続けたい」と強く望む場合は、親子で話し合い納得の上で決めることが大切です。無理やり習い事をやめさせると反発心から勉強に身が入らなくなる恐れもあるので、子どもの気持ちを尊重しつつ、志望校合格との両立策を一緒に考えてください。

効率的な学習習慣の確立

限られた時間で成果を出すには、効率的な学習習慣を身につけることが何より重要です。まず基本として、毎日決まった時間に机に向かう習慣をつけましょう。短時間でもいいので「夕食前の30分はドリルを解く」「寝る前15分は暗記タイム」などルーティン化すると、だんだん習慣が定着します。スキマ時間も活用しやすくなり、習い事があっても勉強のリズムを崩さずに済みます。

勉強の質を高める工夫もしてみましょう。例えばリビングでテレビがついている中でダラダラ1時間勉強するより、静かな環境で30分集中した方が効果的です。家族にも協力してもらい、勉強時間中は静かにする、スマホやゲーム機は別室に置くといった環境整備を行います。塾の宿題や学校の課題はため込まず、習ったその日に復習することで知識が定着しやすくなります。復習ノートや解き直し用ノートを用意し、間違えた問題だけもう一度解き直す習慣をつけるのも効果的です。短時間で効率よく弱点補強ができます。

また、休憩の取り方にも気を配りましょう。長時間ぶっ通しで勉強するより、適度に休憩を挟んだ方が集中力が持続します。例えば「25分勉強+5分休憩」を1セットにするポモドーロ・テクニックなどを試し、集中とリラックスを切り替えると疲れにくくなります。習い事でリフレッシュした日は集中力が高まっていることもありますから、その勢いで難しい科目に取り組むのも一手です。睡眠時間の確保も学習効率に直結します。忙しい高学年ほど夜更かしは禁物で、最低6~7時間は眠って脳と体を休めましょう。睡眠不足で疲労が蓄積すると成績が下がり、習い事も勉強も両方うまくいかなくなるリスクがあります 。

4. モチベーション維持の方法

中学受験の長い道のりでは、子どものモチベーション維持が大きな課題となります。やる気が上下すると勉強の効率も変わるため、親として上手にサポートしてあげたいところです。ここでは目標設定の工夫、ご褒美制度の活用法、そして親のサポートの役割について具体的に紹介します。

短期・長期の目標設定

目標設定はモチベーション維持の基本です。まず最終的な長期目標として「第一志望校に合格する」「中堅校に進学して充実した学校生活を送る」といった大きな目標を親子で確認しましょう。そのうえで、そこに至るまでの道筋として短期の目標をいくつも設定します。短期目標はできるだけ具体的で達成しやすいものが理想です。例えば「今月中に算数の計算問題集を最後まで解く」「次の模擬試験で偏差値○以上を取る」「今週の漢字テストで満点を取る」など、小さなゴールを設定します。

短期目標を達成するたびに達成感を味わえるので、子どもにとって成功体験の積み重ねになります。「できた!」という経験は自己効力感を高め、次のやる気につながります。目標は家族みんなで共有し、見える形にすると効果的です。リビングのカレンダーに今週の目標を書き出したり、達成したらシールを貼るなど工夫してみましょう。長期目標が遠い先の話でも、短期目標をクリアしていくことで着実にゴールに近づいていることを実感できます。

ご褒美制度の活用

子どものやる気を引き出す工夫として、適度なご褒美制度も有効です。短期目標を達成したときや努力が続いたときには、小さなご褒美を用意してあげるとモチベーション維持につながります。例えば「模試の成績が上がったら子どもの好きなデザートを一緒に食べる」「1週間計画通り勉強できたら日曜日にゲームを1時間してよい」といった具合です。ポイントは、ご褒美の内容は適度にすることです。高価な物を買い与える必要はなく、子どもが喜ぶちょっとしたお楽しみ程度に留めます。「努力すると良いことがある」という経験を積ませるのが狙いです。

ご褒美とあわせて親の積極的な賞賛も忘れずに。結果が出たときはもちろん、毎日机に向かっただけでも「頑張ってるね」「えらいね」と声をかけてあげましょう。定期的に褒められることで、たとえ報酬がなくても前向きに努力し続ける姿勢が育まれるとされています。実際、中学受験を経験した子どもへのアンケートでも「親が認めてくれたこと」「ほめ言葉」がやる気維持に役立ったと感じるケースが多いようです。また、ときには勉強から少し離れて気分転換の時間を作ることも効果的です。親子で散歩をしたり、映画を観たりする時間があると心に余裕が生まれ、次の勉強への英気が養われます。

親のサポートが果たす役割

「中学受験は親の受験」と言われるほど、親のサポートは重要な要素です。小学生の子どもが自分一人で受験勉強の計画管理やメンタルコントロールを行うのは難しいため、親子二人三脚で乗り越える姿勢が求められます。まず基本として、生活習慣の管理は親がしっかり担いましょう。毎日の食事で栄養バランスに気を配り、入浴や就寝の時間もなるべく規則正しく整えてあげます。体調が万全であれば勉強にも集中しやすくなりますし、生活リズムが安定すると精神面でも落ち着きが保てます。

次に、学習環境の整備も親ができるサポートです。前述したように静かな勉強スペースを用意したり、参考書やプリントを整理整頓する手伝いをします。特にプリント類は科目ごとにファイルにまとめる、カバンの中身を定期的にチェックするなどして、子どもが必要なときにすぐ教材を取り出せるようにしておきます。親が情報収集をして志望校や受験日程の管理をすることも大切です。学校説明会の日程や入試要項など、子どもだけでは手が回らない部分をフォローしましょう。

そして何より、メンタル面の支えになってあげてください。勉強が思うように進まないときや成績が伸び悩んだとき、親がイライラして「もっとやりなさい!」と叱ってしまうと子どもは萎縮してしまいます。そうではなく「大丈夫、きっとできるよ」「今回はたまたま調子が悪かったね」など励ましの言葉をかけ、必要なら一緒に問題の復習に付き合うなど寄り添いましょう。模試の結果や学校の成績について話すときも、頭ごなしに批判するのではなく「ここはよくできているね。次はここをがんばろうか」とプラスの姿勢で伝えます。親が常に味方でいてくれる安心感が、子どものやる気と挑戦を支える原動力になります。

最後に、適度に息抜きの時間を作る配慮も親の大事な役割です。ずっと勉強漬けでは子どもも親も疲れてしまいます。たまの休日には好きなテレビ番組を一緒に観たり、美味しいスイーツを食べに出かけたりしてリラックスしましょう。受験直前期でなければ家族旅行もリフレッシュになります。メリハリをつけて楽しい時間を持つことで、勉強への意欲がかえって高まることもあります。「この子のために親もできる限りのサポートをしよう」と前向きに捉え、親子で協力しながら受験本番まで走り抜けてください。

5. まとめと成功へのヒント

中堅校を目指す中学受験は、難関校一本狙いとは違った良さや戦略があります。無理のない範囲で勉強と習い事を両立させ、適切な塾や指導方法を選択すれば、受験勉強期間もお子さんの大切な成長の機会となるでしょう。ポイントは常にお子さんの様子に目を配り、「このやり方で子どもに負担がかかりすぎていないか?」と軌道修正しながら進めることです。中学受験は親子にとって長丁場ですが、計画的に取り組みモチベーションを維持していけば、きっと実りある結果が得られます。

成功へのヒントとしては、以下の点を意識してみてください。

  • 子どもに合った目標設定: 他の子と比べるのではなく、我が子のペースで達成できる目標を立てましょう。小さな成功体験の積み重ねが大きな自信になります。
  • 情報に振り回されない: 偏差値や周囲の噂に過度に惑わされず、志望校の教育方針やお子さんの適性を重視して学校選びをしてください。中堅校にも特色ある良い学校がたくさんあります。
  • 健康第一: 睡眠と栄養をしっかり確保し、親子とも心身のコンディションを整えることが合格への土台です。体調管理も受験戦略の一部と考えましょう。
  • 親子のコミュニケーション: 勉強の進捗や悩みを日々話し合える雰囲気づくりを。うまくいかないときほど対話が大切です。親の励ましは子どもにとって何よりの支えになります。
  • 最後まであきらめない姿勢: 中学受験では直前期に成績が伸びるケースも珍しくありません。一喜一憂しすぎず、最後までできることを積み重ねていきましょう。

中堅校合格はゴールではなく、お子さんの新たな6年間のスタートです。受験勉強を通じて培った努力する力や時間管理術、自ら考える姿勢は、入学後の学校生活や将来の大学受験にもきっと役立ちます。保護者の皆さんは温かく見守り、時に励ましながら、お子さんの可能性を信じてサポートしていきましょう。中学受験を親子で乗り越えた先には、きっと大きな成長と笑顔が待っているはずです。頑張るご家庭を心より応援しています。

この記事を書いた人
education-writer

早稲田大学卒|教育×AI×デジタルマーケティング
中学受験で挫折を経験しながらも、高校受験で第一志望に合格。その経験を活かし、子どもたちの中学受験において「幸せな受験体験」を目指し試行錯誤を重ねる。
現在は、デジタル技術やAIを活用した教育・マーケティング分野の最新情報を発信。EdTechやSEO、DX戦略に関心があり、受験生の学習効率向上や教育業界のデジタル変革を支援。

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